最近の支援の在り方を問う

最近の福祉・支援の在り方を問う ―本人を支え、本人に向き合ってもらうこと ― 先日、65歳を過ぎた障害のある方の病院カンファレンスに参加しました。 本人は、数年前に親から引き継いだ会社の経営が立ち行かなくなり、その後に手掛けた事業もうまくいかず、最終的に破綻しました。負債を抱え、自宅のビルも競売にかけられることになり、住む場所を失う危機に直面しました。その結果、グループホームへの入所に至っています。債務整理の段階から弁護士が関わり、現在は成年後見制度も利用しています。...

成年後見制度における「士業後見人」と「福祉職」の見解の違い

成年後見制度における「士業後見人」と「福祉職」の見解の違い ― 権利擁護と福祉の視点から考える ― この町で馴染みのある弁護士が講師を務める研修があった。その弁護士は、成年後見人としての活動をはじめ、福祉に関わる機会も多い。しかし、私自身は、その考え方や姿勢に今ひとつ物足りなさを感じている。その理由は、成年後見制度に携わる専門職の間で「それぞれの役割や専門性の違いが十分に認識されていないのではないか?」という懸念があるからだ。 1.士業後見人と福祉職・市民後見人の違い まず、大前提として理解しておくべきことがある。...

我々(昭和世代)が昨今の職場環境に思うこと。

すでに年金受給世代となりましたが、まだ現役で働いている仲間が周りにもいます。彼らと話すと、度々次のような愚痴を耳にします。 「最近の福祉は悪くなった」 介護保険が浸透して制度的にも充実し、昔に比べれば恵まれた時代になっています。それにもかかわらずそう感じるのは、福祉従事者の考え方や価値観が時代と共に大きく変化したからに他なりません。(この点については、また別の機会に譲るとします) 福祉に限らず、昨今の職場環境における最大の変化といえば「飲み会や食事会が無くなったこと」ではないでしょうか。...

閑話休題

このブログは、この事業所の相談員がテーマを決めて、20~30分程のお話をしたものを、ライターの方たちに書き起こしていただいているものです。 私の、取り留めもない話をうまくまとめていただいています。他人に書き起こしていただくことで、私が話している内容・意図と違う受け取り方になってしまうこともあります。 そういったことから、私がお話をする際の話し方・伝え方の参考にさせていただいています。 前回「便利さの裏にある“人間らしさ”の喪失...

便利さの裏にある“人間らしさ”の喪失 ―ロボットとAI時代をどう生きるか

ロボットペットに感じた違和感 1985年、当時勤めていた施設に、初めてパソコンの寄贈があり、私は積極的にパソコンを関わり始めた。 この頃から、障害者の作業業務にもどんどんパソコン作業を取り入れていたこともあり、私は同年代の人に比べるとパソコンとの生活に慣れていた方だろう。 いわゆる「最新テクノロジー」に違和感を感じていなかったのだ。 そんな私だが、近年の業務に携わる中で、今もなお心に残る衝撃的な光景がある。 それは、都会のマンションの一室。 いつも通り、相談支援に訪れたお年寄りのお宅に伺った時の話。...

終活ってなんだろう?〜“その日”に家族を困らせない準備〜

 「終活」という言葉を日常生活で普通に使うようになって久しくなりました。 この言葉を最初に使ったのは『週刊朝日』でした。のちに流行語大賞にノミネートされ、第一次「終活ブーム」へとつながりました。  当時の終活は、「入棺体験」や「遺影の写真を撮る」など、自分自身が死を受け入れるための活動というイメージが強いものでした。 「骨にされたら自分で墓には入れんぞ」 私は、地域包括支援センターで働いていた時ご家族からの相談がきっかけで、終活の大切さを痛感し、啓蒙活動を開始しました。...