閑話休題

このブログは、この事業所の相談員がテーマを決めて、20~30分程のお話をしたものを、ライターの方たちに書き起こしていただいているものです。 私の、取り留めもない話をうまくまとめていただいています。他人に書き起こしていただくことで、私が話している内容・意図と違う受け取り方になってしまうこともあります。 そういったことから、私がお話をする際の話し方・伝え方の参考にさせていただいています。 前回「便利さの裏にある“人間らしさ”の喪失...

便利さの裏にある“人間らしさ”の喪失 ―ロボットとAI時代をどう生きるか

ロボットペットに感じた違和感 1985年、当時勤めていた施設に、初めてパソコンの寄贈があり、私は積極的にパソコンを関わり始めた。 この頃から、障害者の作業業務にもどんどんパソコン作業を取り入れていたこともあり、私は同年代の人に比べるとパソコンとの生活に慣れていた方だろう。 いわゆる「最新テクノロジー」に違和感を感じていなかったのだ。 そんな私だが、近年の業務に携わる中で、今もなお心に残る衝撃的な光景がある。 それは、都会のマンションの一室。 いつも通り、相談支援に訪れたお年寄りのお宅に伺った時の話。...

終活ってなんだろう?〜“その日”に家族を困らせない準備〜

 「終活」という言葉を日常生活で普通に使うようになって久しくなりました。 この言葉を最初に使ったのは『週刊朝日』でした。のちに流行語大賞にノミネートされ、第一次「終活ブーム」へとつながりました。  当時の終活は、「入棺体験」や「遺影の写真を撮る」など、自分自身が死を受け入れるための活動というイメージが強いものでした。 「骨にされたら自分で墓には入れんぞ」 私は、地域包括支援センターで働いていた時ご家族からの相談がきっかけで、終活の大切さを痛感し、啓蒙活動を開始しました。...

シニア世代とデジタルのつきあい方~スマホ・AIロボット・ChatGPTのある暮らし~

シニアとデジタルの付き合い方~スマホ・AIロボット・ChatGPTのある暮らし~ 最近は「デジタル」という言葉を耳にしない日はありません。若い人だけのものと思われがちですが、実際はシニアの暮らしにも深く入り込んでいます。 スマホやパソコンは、病院の予約やオンライン診療・支払いにも使え、AIロボットやChatGPTのようにコミュニケーションがとれるサービスは、シニアにとってちょっとした心強い味方になっているのです。 ここでは実際に使用した例を交えながら、シニアがデジタルとどう付き合えば暮らしが楽になるか考えてみたいと思います。...

福祉の「今」と「昔」ジェネレーションギャップを超えて、制度だけでは埋まらない“支援の難しさ”

「昔の方がよかった」という声の背景 福祉という世界に40年以上携わってきた。最近古くからの友人や仲間から「最近の福祉は悪くなった」という話題がちょくちょく出る。昔と比べるまでもなく福祉面のインフラ(制度や設備)は確実に進歩しています。それでも「昔の方がよかった」と思う理由は何なのか?それは、人の価値観や支援への向き合い方に、時代の変化があるからです。 「子供は風の子」ではなくなった。...